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いつもとなりで

第2章 誓いの花畑

「あれ? 指輪は?」


「指輪はこれ」


 そう言って竜也は私に指輪を見せた。中に何か掘っている。


『M heart T』

 意味は、美由紀 heart 竜也ということだろう。竜也はその指輪を小指につけた。綺麗に塗った爪のネイルよりも輝いている。

 
 そして……。


 ちゅっ……。


 十年前とは違うキスをした。唇だった。


「誓いのキス。左手の薬指の指輪は十年後、結婚するとき」


「うん」


 私は照れ笑いをする。


「可愛い。じゃあ、そろそろ帰るか」


「もうそんな時間かぁ。うん、分かった」


 私は竜也と手を繋いだ。


「十年後、また誓いに来ような」


「うん」


 十年後──。


 この花畑で竜也と結婚するのが楽しみだな。どうかこの誓いの花畑が十年後もありますように。



End

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