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ぜんぶ二人ではじめて

第23章 覚悟を決めて

side 泰宏

ナナちゃん一家は、少しズレてるらしい。

「じゃあ、泰宏くんは七海と寝て?」

と。

おいっ!

良いのかよ?

ナナちゃんが良ければ……俺はもちろん、良いけどね。

いや、むしろ願ったり叶ったりだぜ!

しかしなー……

ナナちゃんのお母さん、布団の上げ下ろしが大変ってことらしかった。

一応さ、

「俺、やりますから。布団、お借りできますか?」

と。

とは言え、部屋が余ってるわけじゃない……

いや、余ってるが、物置小屋と化してるらしいから。

たった3日のためにそこをあけてとまでは言えないから、

ナナちゃんの部屋の3畳のとこに布団を敷いた。

ナナちゃんのお父さんが、手伝ってくれて、

「狭くて悪いね。不便なことがあったら、言ってね?七海とはその……まだ、してないかな?」

なんて聞いてきたから、

「あ……はい。」

久しぶりに恥ずかしくてうつむいた。

「俺もすみれも子どもさえできなければしてもいいと思ってるよ。二人が幸せなら俺は自然の流れだと思うから、特に止めない。君たちの意思に任せるよ。」

ズレてるのではなく、きちんと思っててくれてるんだと、感じた言葉だった。

夕飯をいただいて、

ナナちゃんと庭を散歩することにした。

だだっ広い、この敷地……

何坪あるんだろ……と、ふと思った。

「ナナちゃん、ごめんな?急に泊まることになっちゃって。」

そう切り出すと、

「ヤスくんとたくさん一緒にいられて嬉しいよ。」

と返ってきた。

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