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ぜんぶ二人ではじめて

第44章 告白と変化

紅茶、飲み終わりそう。

「そ。マジであいつ、一人暮らしなんて向いてないっつーかなんつーか…とにかく悲惨すぎて、俺らが定期的に行って、片付けたりなんなりやってるんだ。で、輝の母ちゃんから提案されたんだけどさ、輝ん家、空いてる部屋たくさんあるから、俺ら4人でシェアハウスとして使わないかって。」

「え?シェアハウス?え?じゃあ、竜くん、輝くん家に住むの?」

パァァッと顔が満面の笑みになってくのが自分でも分かる。

「そうだよ。…」

「やったぁ!嬉しい!すごく近い!いつから?いつから輝くん家に住むの?」

子どもみたいにはしゃいじゃった。

「ゴールデンウィーク!」

「10日後?!」

「うん。…そんな嬉しそうに…」

「嬉しいよぉ!楽しみー!引っ越しお手伝いさせてね?」

「あ、うん。…七海?」

竜くんが席を私の隣に移動して見つめる。



「なぁに?」

「そんな無邪気で…俺は…七海とキスしたいとか考えてんのに。」



急にドキドキする。

急に男の人の顔になった。

ハッとして、恥ずかしくなって、自分の顔を手で覆った。

「私もっ!…竜くんと…キスしたいって思ってたよ。」

素直な気持ちを伝えたい。

外はすっかり夕方から夜になってきた。

「そっか。…もう、我慢しないよ。」

「あっ…」

そっと手を退けられた。

ドッドッドッドッ…

瞳が絡み合う。

うわっ…竜くん、睫毛長い!

ふわっと、竜くんの大きな手で右頬を包まれた。

ドキドキ…

「…七海…」

低く響く音が私の鼓動をなおさら乱す。

親指で私の唇に触れた。



ドキドキ…ドキドキ…

「可愛い…!」

「竜くん、好き…!」

自然に目を閉じた。

右頬を包まれたまま、竜くんと最初の

ちゅっ…

キスをした。

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