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ぜんぶ二人ではじめて

第44章 告白と変化

家に着いて、リビングに案内する。

泊まる…

それはやっぱり…恋人らしいことをしたいってことだよね?

「何か飲む?」

久しぶりに離した手。竜くんの温もりが残る。

「七海は何飲むの?」

「私は、ミルクティー!」

「マジ好きだな。」

そう言って苦笑いする、竜くん。

「うん!大好き!竜くん、どうする?」

「紅茶は何の種類があるの?」

「アッサム、アールグレイ、セイロン、ダージリンかな。ストレートで飲むならアールグレイがおススメだよ。」

「んじゃアールグレイで。ホットでお願い。」

「はーい。」

カップを選ぶ。

コペンハーゲンにしよっと!

ティーストレーナーで一杯分、茶葉を入れる。

良い香り!

お湯を注ぐと香りが深まる。

「良い香りー。」

竜くんが反応する。

私と同じ感覚だ!

「良い香りだよね。だから紅茶大好き!」

そう話す。

トレイでリビングに運ぶ。

「竜くん、どうぞ。」

笑顔で差し出す。

「ありがとう。」

2人で特別な時間を過ごしてるみたい。

ステキな時間。

「美味い!」

竜くんの笑顔でもっと特別になる。

「良かった。」

竜くんの手とか首とか…なんか…去年と全然違う。それとも私の見方が変わったからそう見えるだけ?

なんか…セクシーすぎて直視できない。

美味しい紅茶を飲んでいるのに、そんな邪まな考え…なんて、恥ずかしい。

少なくともこの雰囲気で、そーゆーのはナシだよね。

でも、いちゃいちゃしたい!くっつきたい!

「竜くんは、輝くん家にけっこう泊まるの?」

私はそーゆー気持ちでいることを悟られないよう、遠回しに聞いてみることにした。

「そーだな。週3くらいで泊まるかな。輝今、ほぼ一人暮らしだし。」

「え?そうなの?」

「そ。輝の母ちゃん、単身赴任の父ちゃんとこ入り浸りでさ。普通、単身赴任だったら、週末父ちゃんが家に帰ってくるだろ?」

「まぁ、そうだよね。」

「輝ん家は、平日母ちゃんがほぼ父ちゃんとこ行ってて、週末父ちゃんと一緒にこっちに帰ってくるんだよ。」

「輝くん、一人暮らしできてんの?」

「だから、悲惨すぎて、俺らが定期的に行ってんの。あいつん家、広いしさ。」

「それは大変そう。」

素直にそう思った。

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