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ぜんぶ二人ではじめて

第46章 セカンドラブ

side 竜一

以前から俺を好きだっていってくれてた先輩たち。

七海とのことをきちんと話しておこうと思っていた。

先輩達に言い寄られたり、迫られたり、結構強引なところもあって、その都度、俺は七海が好きだって話してきた。

ある先輩は部室に呼ばれて行ったら、裸で迫ってきて、キスされそうになった。その時も、俺は一切勃たなかった。七海以外はあり得ないんだってその時、先輩も俺も思い知った。

また別の先輩には、いきなり胸を揉まされた。俺の股間にも服の上から触られた。けど、結果は同じ。

そんな激しい出来事を機に、先輩たちは七海とうまくいくといいねって考えを強めていった。

だから、俺は先輩達を説得する自信があった。

学生食堂で巻き起こした白昼夢に、先輩たちは納得してくれた様子だった。

七海のことを傷つけることもなかった。

それが何より嬉しかった。

七海が朝、作ってくれた弁当を一緒に食べて、俺は七海と二人きりになろうと、屋上に行った。

キスだけで我慢しないと!

そう思って、七海にやっと許しをもらって、キスをしたというのに、物陰の向こうから、ヤッてる声が聞こえた!

しかも、女は彰一の名前を呼んでた。

少しして、彰一が出てきた。

「市川!竜!」

驚いてるけど、それはこっち!

「彰一…おまえ…何ヤッてんの?」

そんな問いに、女の影…

「彰一…?」

「出てくるな。」

彰一がそう言ったので、女は奥へ引っ込んだ。

隠したいってことか。

「まぁ、良いけど。一応、他にもここに来るヤツいるから、気をつけろよ。」

俺はそう言って、七海の手を引いて、屋上を後にした。

「竜くん…」

「あ…手、痛かった?」

「ううん。ちょっと強かったけど…彰一くんのこと、驚いたし…」

「手、ゴメンな。まったく…何考えてんだか。さすがに学園内でヤルとかないだろ。」

「彰一くん、彼女いたんだね?」

「彼女なら紹介するんじゃない?」

「え?彼女でしょ?」

「七海は…セフレって言葉知ってる?」

「ん?なぁに?せふれ?」

「そう。彼女ではないけど、身体だけの関係ってこと。セックスフレンドの略。」

「え?…?…?」

「まぁ、そーゆーことだから。隠したってことは見られたくないんだよ。」

「んー…?」

こーゆー、困惑した顔、マジで可愛い。

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