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ぜんぶ二人ではじめて

第46章 セカンドラブ

「想ってくださり、慕ってくださり、ありがとうございました!」

竜くんがそう言って、先輩方に握手をした。

食堂のあちこちで、私たちに向けられてた視線が温かかった。

それから先輩方は竜くんが見えるところでランチをしていた。

私と竜くんも二人でお弁当を食べた。

あと30分くらい休憩時間がある。

二人で屋上に行った。

「七海、さっきは、ゴメンな?」

「え?何が?」

「先輩方のこと。」

「ううん。いいよ、全然。竜くんがモテることは知ってたし。先輩方も分かってくれたみたいだから、安心したよ。」

「ありがとう。学園じゃ二人きりになるの、難しいな。」

「そうだね。でも、今、二人きりだよ。」

隣り合って、ベンチでそう話す。

屋上に今いるのは、多分、私たちだけ…

そう思ったいた。

「二人きりにならない方が良いかもな。」

「なんで?寂しいこと言わないでよ。」

竜くんが私の問いかけに、距離を詰めて、顔を近づけながら、

「七海がほしくてたまらなくなる!」

ドキンッ!ドキンッ!

そう言った。

顔が真っ赤になってくのが分かる。

「い、い、いまは、だめ、だよ…」

座ってた私のベンチの背もたれに両手をついて、

「キスしたい!」

竜くんが低音で言う。ドキドキが加速する。

「だ、だ、だめ」

そう言うのが精一杯。

「午後の活力、ちょうだい。」

ズルイ…。カッコいい竜くんの声と瞳が…脳内を占領してく。

「…一回…だけだよ?」

なんて答えてしまう。

「うん。」

竜くんが膝をついて、私に高さを合わせる。

頬を包まれて、目を閉じた。

ちゅっ…ちゅっ…

「もぉ…恥ずかしいよぉ…」

「可愛い!七海!」

ギューーーッ!

抱き合って、鼓動の共鳴を確かめた。

そのとき!

「っ…あっ!彰一!イクぅぅぅん!」

「しーー!」

そんな声が聞こえた。

「え?」

竜くんと顔を見合わせて、声がした方に視線を向ける。

貯水タンクの方からだ。

「彰一って聞こえたよな?」

竜くんが私に確認した。

「うん。」

「今のは…ヤッてたよな?」

「たぶん。」

彰一くんは私たちに気がついてないのかな?

「とりあえず、知らん顔しとくか。」

「そうだね。」

すると、彰一くんの姿が!

「市川!竜!」

気がついてなかったみたいで、驚いてた。

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