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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚





「な……ンふ…ッ─」


─チュッ…


のぼせるどころか


「"なに"って、熱計ってるんだよ」


もう、とけそうで…


─チュクッ…


「ッ─、ハァ…」


─クチュ…


「ン……フ、ゥ…」


せっかく下がった熱もあがっちゃうから……


~~~~~!!!


この時、アタシの体温は優に沸点を軽く超えていたんじゃないかと思った。


「ハ…ァ、ッ─ハァ…」


すると少しだけ唇を離されて…


「なぁ…」


アタシを間近で見つめたままの渚くんの口角が、ただならぬ色気を含んだ角度に持ち上がる。

そして…


「…エッチなエッチなウサギの千隼ちゃん?」


アタシの唇の隅から零れ落ちた銀の雫を舐め取った、ゾクリとするほど甘い声を発した彼の唇が意地悪な形に歪んだ。


こ、これは…

もしや…


「お前…オレになにさせたか覚えてるか…」

「────‼」


一瞬、適当に誤魔化したらなんとかなるかもしれない…と思った。

だけどそんなアタシの甘い考えは、

艶やかに細められた鋭い瞳の妖しい煌めきに…


「オレの唇に…」


見つけてしまったその奥で揺らめく炎に…


「指に…」


そこから溢れ出した毒のような瘴気に…


「普段キスだけでこんな顔するお前が、オレになにをさせたのか…」


魅せられて、絆されて、跡形もなく溶かされてしまったから。


だから、


「あの時のお前、めちゃくちゃエロくて可愛いかった……」


こんな風にアタシの熱をさらに上げてしまう決定打と言わんばかりの、容赦ない追い打ちをかけてくる渚くんに、

知らない……だなんてそんなこと、

とてもじゃないけど言うことなんてできなくて…。





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