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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚







「フ、んゥ…ぅ!!……ハっ……んァ…」


渚くんが片手でアタシの腰骨を前後に揺するから、口から漏れ続ける声と沸騰しそうな吐息に鼻で呼吸なんてできなくて……

酸素が欲しくて、涙目でもがく。

でも……


「……ダメだ」


え…


"ダメ"って…


「ッ…はっンン……!!」


そんな呟きの隙に一度だけできたブレスで脳に酸素が送られる。

けど、白く霞んだ脳内がいくらかはクリアになるけれど、それでもなにが"ダメ"なのかなんて考える余裕なんてあるわけがなくて。


─ジュル…クチャ…チュ…ッ…


喉元が混ざり零れた蜜で濡れるほどまで唇と舌を吸われて、訳がわかんないまま揺れるだけの緩い刺激にイキそうにところまで持っていかれる。


「千隼…」


するとその手前、ギリギリのことろでようやく離された唇。そして透明にひいた銀の糸をアタシから舐めとった渚くんは手を頬に添えて…


「…他のヤツにもうお前のこと抱かせらんねぇ」

「ッ…───」


あ…

知らされた"ダメ"の意味に一瞬息ができなくなった。

それは酷く、アタシの胸と渚くんと繋がる場所をキューッと締めつけ狭くする。

そして、


「ハ…ァ、ッ……」

「見せんな…」


一切の動きを止めてアタシを見上げた彼のその表情は、どこか怒ったようにまっすぐ真剣で……


「そんな顔、他のヤツに見せんじゃねぇよ……」

「………ッ…!!」


酷く切なくも見えて…





「………すげぇ腹立つ」





─ビクッ…ンッ…───!!


…───────



ただひとつの映すモノを渇望し、独占欲で色濃く揺らす彼の瞳と……

世の中のあらゆるものを手にする彼が放ったたったそのひとことに……

アタシは

イかされてしまったんだ。




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