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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚





「これも…夢…なの…?」

「………」


だったら早く目を覚まして渚くんと………ッ‼


「……待て」

「うぐっ!!」


夢と現実の狭間のパラレルワールドから早く抜け出したくて、ベッドから飛び起きようとした。

しかしそれは寸前のところで渚くんに制されてしまう。


「……だから急に起きるなって」

「んぅ、だけどっ」


早く起きなきゃ渚くんとのお休みが終わっちゃうの!!


「離し…っ」


なのに、ベッドに強引に引き戻されて暴れるアタシ。


「あー、だから…」


しかし、それを上手く抑え込んだ渚くんに…


「大人しくッ…、なぁ…」

「ヒぅ……ッ!!」


耳たぶに歯を当てられて…


「…今日は"なんでも言うこときく"んだろ?」


…………‼


低く囁かれた物凄く身に覚えのある言葉に衝動的にカラダが動かなくなった。



だって………


「なんでそれ…」


そんなことひとことも…


「……言ってないよ?」

「あぁ…」


…そうなのだ。


アタシはその言葉をさっき、渚くんには…


「…教えてないよ?」

「あぁ…そうだな」


…うん、そうだよね。

だったら…


「なん…で…」


…知ってるの?


これじゃまるでやっぱり…


「………」

「………」


もがいてるうちに彼に組み敷かれる形になって自然と見つめ合っていたアタシたち…

そこに差し込んだ夕日が彼の黒髪を赤く染め上げて、真っ直ぐ見下ろすその顔に艶のある陰影を作り出す。





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