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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚








だからズルいんだ、そうやって…

出かける間際なのに、こんなアタシに中途半端に火をつけるような真似をするなんて、ドSというほかなんて言ったらいいのだろう。

…だって、わざとなんだもん。

それを証拠に、

お前はそうやって大人しく一日中オレのことを考えてろよ、って…

上から見下ろしながら妖美に微笑む渚くんの物言わぬ瞳が妖しくそう物語ってる。

むしろ、出掛けにそんなことされたらアタシが今日一日それしかできないってわかってるくせに…

…意地悪だ。


きっとそんな胸の内も頭のなかもすべて見透かされていて、それをこのオトコは絶対に楽しんでる。

だって、顔にそうかいてあるもん。完璧すぎるその顔にわかりやすくかいてある。

だけどそれも結局は嫌じゃなくて…

だから、


「…早く帰ってきてね、待ってる…から」


…とか、さ。

気がついたらすっかり渚くんの中毒性の高い魔のループにのまれてて…


もう、非常に厄介だ。

そして、わかっていてそんな彼の思惑通りになってしまう自分はもっと厄介なわけで…




「…いってらっしゃい」


今日は厄介なのはもうおなかいっぱいだ。

それに加えて頭もいっぱい。

中身はもちろん、とんでもないドSオトコ一色で、渚くんを見送り終えた頃、そこにはもう立てなくなっている自分がいた。

彼の途方もない色気にあてられたせいか、カラダは熱いし、頭がボーっとする。それに酸欠のせいでクラクラするし、何を隠そう腰が砕けてる…






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