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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚








「本当にアタシ、元気だから平気だよ」


確かに季節的に体調を崩しやすい時期なのだろうけど、まさか…ね。

だって自分のカラダのことは長い付き合いだ、自分が一番よくわかっているつもりだ。

だから風邪なんて…


「心配してくれてありがとう」


でもまぁ一応…なんて心当たりを探ってはみるものの、


「…千隼」


あ…


「んん…っ…」


彼に向けた笑顔の裏で念のために行った脳内作業は、引き寄せられ重なった唇によって遮られることになるわけで。

それにそんな…


「待っ…ん…は、ぁ、とけ…ちゃ…っ」

「…勝手に熔ければいい」

「っ、渚く…」


そんなキスされたら、考えるどころか…もう…


「立て、な…」

「なんだ、もう限界か…?」


口内を味わうように絡みついてくる熱い舌と、余裕を振りかざす艶のある瞳に抵抗もなくまんまと犯されて…

そして毒のように吐かれる色気にまみれたその声色にあっという間に酔わされれば、いつの間にか頭のなかのことはどうにでもよくなってしまう。


─このまま行かないで…


思わずそんなワガママが口をつきそうになった。

しかし、アタシを追い詰める意地悪な唇はそんな言葉などは言わせてはくれないのだ。

正確にはそんな余裕など与えて貰えないというのが正解なのだけれど…


だけどすべてが確信犯のこのオトコはすべてをわかっているに違いない。


「…取り敢えず詫び、な」

「ッつ…」


唇が離された途端に崩れ落ちそうになるアタシの耳元へ落される甘い囁き…





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