憧れの二人は女王様と召使い?
第3章 沙紀
「麻理恵!」
学食に着くと慧人が私を呼んだ
「慧人ー!」
なに大声で呼んでくれちゃってんの?
みんな振り向くだろうが!
「きゃー!」
「あんな風に恥ずかしげもなく名前呼べるなんて…」
はずかしいに決まってんだろ
「やっぱラブラブなんだなぁ
あんな恋人ほしい!あんな恋人なりたい!」
勝手に恋愛しとけよ、あほんだら
慧人の場所にたどり着くまで
たくさんの声が聞こえ、それに心の中でつっこむ
「あれ?麻理恵さんの後ろ、ついてってるの沙紀さん?」
「綺麗…やっぱトップはトップと、普通の私達はお前らみたいなのがお似合いなのかね」
「それちょっとひどくない?」
「でも、それ言えてる!」
ふーん…やっぱ沙紀も人気あるんだ
ご機嫌取るくらいなら仲良くしても問題ないかな…
「沙紀さん!この人が慧人」
「初めまして!柳瀬沙紀です」
「ふふっ、昨日会ったでしょ?」
「あ…改めるとつい…」
沙紀は照れたように笑った
「慧人、学生証は?」
「あぁ、はい。柳瀬沙紀さん」
彼は沙紀に学生証を渡した
「///これです!ありがとうございます!」
おいおい
もとは私が拾ったんだが…
私にもお礼言えよ
照れたり頬赤らめてさ
腹立つ
菓子折り後日持ってこいよ
「よかったね!じゃあ私達は…」
「あの!今日はご飯ご一緒しても良いですか?」
このアマ…調子乗りすぎだろ…
それでも私は変わらず笑った
「俺達いつでもここで食べないし、お弁当なんだ
だからまた今度で良い?」
「じゃあ明日!私もお弁当作って来ます!
だから…良いですか?」
こ い つ 、 し つ こ い な ! ! !
「沙紀さんもお弁当作って来るの!?じゃあ、おかず交換会とか出来るね!楽しみだなぁ」
んなわけねぇけどな!!
「じゃあ私明日ご一緒しても良いってこと?やったー!」
「ふふっ、じゃあ今日は本当にごめんね?また明日ね?」
「はい!慧人さんもまた!」
「またね!」
はい!出ました!ちゃっかり男にも媚びうるスタイル
一応付き合ってんの分かってんのか?あぁ?