憧れの二人は女王様と召使い?
第4章 告白
「はぁ…」
いつもの味じゃない…
味落ちただろ、これ
「あれ…パン食べてるの?」
昨日と同じように慧人が少し遅れてやって来た
「今日は麻理恵さんの分もちゃんと作ったんだ!」
「え?」
もしかして、昨日の話真に受けてたの?
あんなん社交辞令みたいなもんだったのに
昨日より大きめのお弁当箱…
この人にはあんま冗談とか、軽い気持ちで何か言うのはだめかもな
「じゃーん!もっと喜んでほしくて朝早く起きて作ったんだ!」
おかずの種類も豊富で言われなくても
頑張って作ったのが見ればわかる
「食べよ?麻理恵さん」
「う、うん…」
なんか、わしゃ良からぬ事をしでかしたかもしれん…
そんな付き合える可能性0で
もし付き合えてもこんな性格じゃ嫌われるようなやつなのために
こんな頑張る?
「どうかした?もうお腹一杯だった?」
「まさか!今日は一段と美味しそうだなぁって…いただきます!」
美味しい…
パンなんかよりずっとずっと
パンの味はいつも通り
ただ昨日の慧人のお弁当食べたときから
この味じゃ物足りなくなってたんだ