憧れの二人は女王様と召使い?
第5章 5
「……………」
「……まり…え……?」
「今日の朝ハンバーグじゃないと嫌って言ったじゃん…」
機嫌が悪いのが伝わったのか
慧人は恐る恐る、私の名前を呼んだ
食卓の席についてできたご飯を見ると
朝リクエストしたものと全く違うものが出てきたのだ
「あ…そういえば……」
「チーズの入ったハンバーグ…」
「いや、だってあの話で沙紀さんが割り込んできたから…
あ、明日!明日かならず作るから!」
「……本当に明日作るのよね?」
「うん。約束する」
慧人は私の前に小指を差し出した
それに自分の小指を絡めた
「ゆーびきーりげんまん、うーそついたら、はーり1000本
まっっっじで飲ーます!
ゆーび切った!」
「ま、まじ?」
「もちろん。ちゃんと針用意するよ」
「そのようなお手数をかけないよう、精一杯務めさせていただきます…」
「よかろう!じゃあ今日は仕方なくこれ食べてあげるー」
私はすっかりいつもの調子を取り戻し
端を手に持ち、晩御飯を食べ始めた
ハンバーグじゃないけど
その分明日の楽しみが増えたし、やっぱりこいつの作る飯はなんでもうまい