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school life

第1章 揺れる心~school life~

 暗闇の中で声が聞こえる。その声を頼りに走っていく。だんだん光が見えてくる。その光に向かって必死に走る。そして光に包まれる。生きていてよかった。暗闇の中の声は、歩と十夜だった。


「歩……十夜?」


「あぁ、分かるか?」


 二人は声を揃えて心配そうに私に言った。


「うん、大丈夫だから心配しないで」


 私の言葉を聞くと歩は保健室を出た。そのため、十夜と二人。


「あの、先生は?」


「あいにく今はいない」


 その答えに私は無言になる。
「そんな顔すんなって! 襲ったりしないから」


「当たり前でしょ!」


「それで今日、お前を助けたのは歩だ」


「えっ?」


 顔が赤くなる。


「もう、ギリギリで先生はあたふた情けない顔するだけで。歩な、京子に迷わず人工呼吸法を使ったんだぞ」


「えっ……ってことは、キスってこと?」


「捉え方によればな。けど歩、医者の卵だから人名救助の一つだと思うぞ。ってかお前、あいつのこと好きなのか?」


「うん。これ内緒ね」


「気にいらね~。あいつに俺の初恋は渡さない」


「えっ……それって?」


「もう! 鈍いよ! そういうこと」

 嘘、十夜が私のこと?


「じゃあ、行くわ」


「うっ……うん。ありがとう」


「歩にも言っとくんだな」


「分かってるわよ!」


「お大事に」


 そういい残すと、十夜は保健室を出て行った。どうしよう。十夜が私のこと。私は歩が好きだけど。そんなことを考えているうちに眠ってしまった。

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