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school life

第1章 揺れる心~school life~

「草川、行っちまったな」


「そうだね」


 少しの沈黙の後、私は口を開き、真剣に名を呼んだ。


「十夜?」


「んっ?」


「勝手だと思わないでね」


「うん」


「私、ずっと考えてたんだ」


「何を?」


「自分の気持ち」

「それでね、私、十夜のことが好き。あんな歩は嫌い」


「それで?」


 私も十夜も真剣に話している。十夜は私が言いたいことは分かっているはずだが、その先を促した。だから、勇気を出して言う。


「私と付き合ってください」

「もちろんだよ」



 そう言って十夜はにっこり微笑んだ。


「じゃ、手繋ぐか?」


「はい」


 照れながら十夜が言うもんだから、私の体温は上昇した。そして、手を握った。

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