テキストサイズ

school life

第1章 揺れる心~school life~

 三十分後。


「京子!」


 息を切らしながら十夜が来る。


「十夜」


「待たせてごめんな。あっリスカしてないか?」


「してないよ」


「何、笑ってんだよ」


「だって、焦った顔してそんな心配してるから」


「あったりめーだろ」


「で、美紅、何て?」


 恐る恐る聞いた。


「告られた。断ったけど。あと家の都合で明日、転校するんだと」


「そっか」


 私は安心した。そして嬉しかった。





 そして次の日。


 教室で担任は言った。


「突然だが、草川は今日で転校することになった。草川、何か一言」


 その瞬間、うるさかった教室は静まり返った。美紅は立ち上がり、前に行く。そして軽く礼をして言った。


「今までありがとうございました。短い間ですがお世話になりました」


 よくある挨拶だ。




 その日、美紅はたくさんの人に囲まれていた。
美紅が謝ってくれることはなかった。まぁ、謝ってもらっても許すつもりなどなかったからいいのだが。


 そして、私は、今日という節目に十夜に気持ちを伝えることにした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ