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school life

第5章 歪む心~school life~

 少しすると京子が登校してきた。

「どうしたの?」

 泣いてる私に優しく声をかけてくれる。

「朝……げた箱の中に手紙が……入ってたの」

 そう言って私は、京子に手紙をさしだした。

「これ……ひどいね。先生に言いに行った?」

「うん」

 京子の質問に短く答える。

「そっか。で、何て言ってた?」

「後で話するだって……。あたしテストで1位なんてとるんじゃなかった……」

 私は本音を言う。パパとママに褒められたって、こんな風になるなら、平凡な順位のほうがマシだ。

「何言ってんの! 一位とったのは自分の実力でしょ! そんなこと言っちゃダメだよ。ねっ!」

 嬉しかった。本気で怒って本気で心配してくれたことが。

 私は京子のことを信頼した。

「うん……そうだね……ごめん」

「ううん、分かってくれればいいの」

 そこでチャイムが鳴った。

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