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school life

第5章 歪む心~school life~

 ある日、嫌になって授業をサボり屋上に行った。

 先約がいた。金髪で制服を着崩した男の子。

「あ、転入生。えと……確か……悪い、名前忘れた」

「草川美紅です。あなたは?」

「あーそうだった。俺は白月十夜(シラツキ トウヤ)。十夜でいいよ」

 まぶしい笑顔を私に向けてくれる。最近は同情の目しかなくて、久しぶりに見た心からの顔に安らげた。

「十夜っていい名前。十の夜だもんね」

「美紅だっていい名前だろ。美しい紅なんて。ってかサボってていいんか?」

「いいの、頭いいから」

 久しぶりに男の子と話して楽しく笑った。

「うっわー感じわり」

「うそうそ、冗談」

「ははっ、わかってるよ!」

 そんなたわいのない会話を一時間した。

 それからたびたびサボり十夜と屋上の会話をする。

 十夜のことを知るたびに惹かれて好きになってく。

 私は十夜に恋をした──。

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