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犬猿の仲良し

第8章 それは違う

ー屋上

連行された俺は、逃げられないようにネクタイで手首を後ろで縛られた。
これ絶対解けない縛り方じゃねーか。
どこで覚えるんだこんなもん。
俺は深い溜息をついた。

縛られるのだけはまずいと思った。
だから本気で抵抗もした。
蹴ったりしたのに全然効かなかった。
…もう男やめたい。

直が近付いてきた。

直「しっかり鍵閉めてきた!」

にっと笑う直。
この笑顔でどれだけの女を落としたんだか。
性格ブスだけど顔だけは良いと思う。
顔だけは。
あとは全部ブス。
外見以外ブス。

璃「ブス」
直「え、今の俺に言った?」
璃「あ、声出てた?すまん」
直「マジ?俺ブスって言われたの初めてだわ-。ショックーw」
璃「ショックなのに笑ってんの?Mかよ。きっもー」

俺はあえて直を煽るような事を言った。
直が俺を嫌ってくれれば、俺はここから脱出できると思ったからだ。
殴られても良い。
教室に帰りたい。
しかし、こいつも馬鹿ではなかった。

直「俺、Sだけど?」

直の目付きが変わった。
あ、やっちまったか?
間違えたか?俺。

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