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犬猿の仲良し

第9章 見た目は大人中身はガキ

泣いてる…。
夢じゃない。
俺は試しに壁におでこを全力でぶつけてみた。

ガンッ

いってぇぇえええええ!!!
はい、夢じゃない!

直「…っ」

何だよ。
この俺が悪いみたいな空気は。
俺が悪いんですか?
しかし焦ることには変わりない。

璃「ど、どうしたんだよ」
直「だって璃玖、怒るんだもん…うっ、く」

何だと?!
さっきまでMって言われて怒っていた奴が?!
他校の生徒返り討ちにしてやったって武勇伝を長々と語ってた奴が?!
それだけで?!

璃「はぁ?!男がそんぐらいで泣いてんじゃね-!!ぶっ飛ばすぞ!」
直「っ、その格好で?」
璃「てめぇが縛ったんだろーが?!」
直「ふっ、ははっ」
璃「何笑って…つーかまずこれを解け!」
直「だって怒るし…うっ」
璃「怒らないから解いて下さい。」
直「えー…」
璃「何でもするから解け!!」
直「はいはい」

案外素直にネクタイを解いてくれた。

ハッ!!

こいつ、泣き止んでやがる。
その上、俺が手を焼かされているような感じになっていた。

…うぜぇ!!

璃「さっきまでの涙はどこ行った!」
直「涙?あ、これのこと?」

直が、胸ポケットから取り出したものは目薬だった。
いつ入れた?!

直「何でもしてくれるんだよなー?楽しみ♪」
璃「殺すっ!!」
直「先輩こーわーいー」

殺意が無理矢理絞り出されている気がする。
もし今病院に行ったら、ストレスの溜めすぎで死にますと余命宣告をされるだろう。

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