テキストサイズ

犬猿の仲良し

第16章 世界は広がる

花火…。
こいつ、協調性がない奴だと思ってたけど…強いな。

神楽は俺の肩に腕を回し、ニヤッと笑った。

神「やるだろ」

朝陽は俺に目を合わせてから、何も言わずに鞄を持って教室から出て行った。

あいつ明日学校来られるのか?
クラスざわつきすぎだろ。

花「うっほぉぉぉ緊張したぁあぁあ」
璃「ゴリラか」
花「む、失礼な!」
璃「ありがとうな」
花「…おす!」

ー放課後

…部活ヤバかった。
俺のミスはいつも健太がカバーしてたから先輩達にすげぇ迷惑掛かった。
もうミスしてはいけないというプレッシャーで余計にミスするし。
海人さんは何故か嬉しそうだったけど。
はぁーっと盛大に溜め息をついた。

大「璃玖」

低くて掠れた声が俺の名前を呼んだ。

璃「うす」
大「…ちょっと来い」
璃「はい」

ぜってー怒られる。
怖い。
今まで、先輩の前ではいい子だったので怒られたことがない。
最悪だ。

荷物を持って田中さんの後に着いていった。

ー…

何故屋上?

璃「早く帰らないと学校閉められるんじゃ…?」
大「璃玖」
璃「はい」

無視だ。
怖い誰か助けて。

大「今日は天気がいい」
璃「あ、そっすね?でももう夜だし暗くて…」
大「いっぱい空気を吸え」

安定の無視。
よく分からないが、俺は空気を吸った。

大「吐け」
璃「ふーっ…」
大「どうだ?」

もしかして怒られるわけじゃないのか?

璃「今日…すみませんでした」
大「…気にするな。俺は怒るためにここに連れてきたわけじゃない」

ああ、やっぱり。

大「俺は指示が出来ても励まし方はよく分かんねぇ。だから何だ…その」
璃「?」
大「話なら聞いてやれる。もちろん話したくなかったらいいんだが」

あの田中さんが…。
俺は嬉しくなった。

璃「…ありがとうございます」
大「今日のミスはらしくなかった。何かあるんじゃねぇかと」
璃「大丈夫です。あの…今言いにくいんですけど」
大「何でも言え」
璃「門閉まろうとしてます」
大「…。ダッシュだ」

俺は笑顔で答えた。

璃「はい」

俺は色んな人に支えられてる。
俺も自分で行動を起こさねぇと。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ