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犬猿の仲良し

第17章 変えろ

そうだ。
あいつ明日は流石に学校来るだろ?
その時に謝って自分の気持ち伝えればいいんじゃねぇか!
すげぇ俺、解決した。
明日だ明日。
よし、俄然やる気だ。

ー1週間後

花「今日も…」
璃「…」

あれから1週間が経った。
健太は学校に来る気配もない。
何度か連絡を入れたが出なかった。

そして俺を取り巻く環境は変わった。
俺の隣には神楽と花火。
ムードメーカーだった朝陽はあれ以来すっかり大人しくなってしまい、今じゃ前に増して神楽がうるさい。

担任には健太のことを何度も聞かれたが、俺は何にも答えることは出来なかった。
ただ、担任が健太の母親から仕入れた情報によると、朝は普通に家を出ている。
夜も普通に帰ってきている。
だが、学校には来ていない。
じゃあどこに行っているというのか。
それは健太本人にしか分からない。
母親には口を割らなかったようだ。

このままだと職員会議になりかねないのでどうにかしろって言われた。
そこら辺の不良少年だったら職員会議にまでは発展しないのだが、今まで休んだこともなく元気に通っていた健康男児となるとまた話が変わってくるらしい。
授業中起きているかは置いといて…。

どうにかしろって言われてもな。
そもそもの原因の奴がこの状況をどうにかするっていうのはどうなんだ?
少々難しくないか?

こうやってしばらく会わないと、今までのことが凄く前のことのような気がする。
…言葉に出したら楽になるとか言っといてお前がいなくなったら余計に寂しいじゃねぇか。
馬鹿じゃねぇの。

神「具合悪ぃ?」
璃「大丈夫」
神「えらい辛そうな顔してっからな?璃玖さんよ」
璃「大丈夫だって」

今、心から笑えない俺は作り笑いをした。

神「前に聞いた質問をほじくり返すようで悪ぃが…」
璃「健太のことは本当に何も知らねぇんだよ」
神「それじゃねーんだ。健太のこと、好きだろ?」
璃「はっ?」
花「…」
璃「い、いやいやないない。ない」
神「…本当かねー?その顔じゃ説得力もくそもねぇんだが」

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