テキストサイズ

犬猿の仲良し

第18章 思わぬ障害

直「通報したから警察来るだろーし、とりあえずここ離れてからでいい?話すの」
璃「あぁ。って警察待ってればいいんじゃねぇのか?」
直「正当防衛とはいえ殴り過ぎちゃってこのおっさん瀕死だからさ、職質されちゃったら俺がまずいわけ、ね?だから…走る!」

そのかけ声と同時に、直が走り出した。
足速すぎ。
俺は逃げる理由はなかったけど、おっさんに犯されそうになったなんて言いたくなかったので直に着いていくことにした。
気抜いたら置いていかれんなぁこれ。
足まだガクガクするし。
そうこう思いながらも、とにかくひたすら走った。

ー…

直「…っはぁ!流石にしんどい!」
璃「体力馬鹿か…っ、もっとスピード落とせただろ、っは…ここ誰の家だ?」
直「おれんち♡」

ウィンクを向けられた。
信じらんねぇ。

璃「さっきはありがとう!じゃ!」
直「待て待て。命の恩人に向かってその態度ー?」
璃「いやほんと勘弁して下さい」
直「警戒しすぎっしょwwwだぁーいじょうぶ!何もしない!」
璃「俺今日やることあるから!じゃあな!」
直「じゃあ今度誘ったら来てくれる?」
璃「考えとく」
直「じゃ、その時に何でさっき現場に居合わせたのかも璃玖との出会いも洗いざらい話すね♡」
璃「語尾にハートつけるな。じゃあ…本当にさんきゅーな」

俺は手をひらひらと振って直と別れた。
直が見えなくなった頃、俺は足を速めた。
今何時だ?
…19時59分?!
嘘だろおい。
かなり遅れた。
今から行ったら家の人に迷惑だろうか。
…いや、そういう理由で逃げるのはもうだめだって。

…え?
何で俺の家、電気点いてんの?
は?
ちょ、待ってくれ。
俺は一旦自分の家に戻ることにした。

不審者?
一日に二回も不審者に遭遇する事なんてある?
ないよね?
しかも俺大事な用あんのに…。

ま、今は油断してないしむしろ不審者の方が油断してるはずだから大丈夫だろ。
俺だって男だ。
ヤバかったらとにかく殴っとこう。

ガチャ…

俺はゆっくり音を立てないように家のドアを開けた。
物音が聞こえない。
俺は靴を脱ぎ、抜き足差し足で1歩ずつ進んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ