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Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第3章 スイートバレンタイン~琉依編~

 練習が終わるとあたしの携帯のバイブが鳴る。彬だ。

『期間限定の大きなチョコ置物の前に夜、10時』

 デートの約束だ。

『了解』












 解散後、私はすぐに待ち合わせ場所に。

 現在、九時半。早く来すぎたようだ。

「琉依~」

十五分後に彬も来た。

「待ったか?」

 彬が優しく聞いてくれる。

「別に」

 あたしは、そっけなく答える。何でこんな反応しかできないんだろうか……。

「目、腫れてる。泣いてたか?」

 彬は、意外に鋭い。

「今日の昼のチョコ……グスッ……うぅ……」

 あたしは泣いた。彬の前だと弱い。

「それは、大丈夫だって。気にすんな。なっ!」

 彬は、優しい目をしてあたしの顔を覗き込んだ。

「ありがと……」

 頑張って笑顔を作った。

「じゃ、行くか? はい!」

 彬は、手を差し伸べた。あたしは、そっと彬の手を握った。

「琉依、デートやめていい? 家……来て」

 彬は、静かに言った。

「っ……はい」

 あたしは、照れながら言った。

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