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Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第6章 この想いに終止符を~優美編~

「優美見てたらわかる」

「じゃあ付き合って。私、もう大人だよ?」

「ごめん。昔は好きだった頃もあった。けど、今は違う。好きな子いるから」

 こうなることは悠の視線を彼女と話す姿を見ていて、わかっていた。だけど……涙が零れ落ちる。

「ごめん、泣かないで」

「好きな子ってどんな子?」

「可愛い子かな」

「はぐらかさないで! ちゃんと教えてよ」

「強がりだけど、脆く崩れやすい子。周りに涙見せなくて、でも俺の前では弱さ見せてくれて。守ってあげたいって思うんだ」

 遠慮がちに悠は言う。

「そか。告白とかしないの?」

 私は真剣に聞く。

「今は、しない。恋人いる子だし」

「今はってことはいつかするの?」

「そうだなー…あいつが守ってやれないなら俺は奪うかな」

 悠の真剣さが伝わってきた。悠にここまで愛されてる人が羨ましい。

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