Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~
第9章 言えない想い~奏華編~
「え、あ……花宮(ハナミヤ)か。どうした?」
新羅先生は真っ直ぐ私を見て言った。
「ベースの……練習に。でも……邪魔みたいなので……帰ります……」
「いや、邪魔じゃねぇよ。歓迎しよう。花宮のベースと俺のピアノでコラボしてみるか?」
「はい……」
「適当に弾いて、合わすから」
新羅先生がそう言うと私は練習曲を弾き始める。
新羅先生はそれにあわせて調整しながら弾いてくる。
2つ重なるメロディー。ベースの重低音とピアノの透き通る音が重なり合う。自然と出た歌。
これが恋の始まりだった。