テキストサイズ

Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第2章 ドリームバレンタイン~大輔編~

練習が終わり、みんなは帰るが、俺は彬に言われた通りそのまま残る。由璃も残っている。そして……


「大輔、帰らないの?」


 由璃に聞かれる。


「あぁ、彬がちょっと残ってろって」


 彬に感謝した。彬はいつもちゃらけてるが案外、頼りになるのかもな。


「大輔、これ……メンバー全員に作ったんだけどもらってくれる?」


「あぁ、もちろん。サンキューな」


 ぎこちなく言う由璃に、俺は微笑んだ。


「いっいえ。でっでは」


「待って!」


 急いで部屋を出ようとした由璃の後ろから俺は声をかける。由璃は振り返った。


「なっなんですか?」


 由璃の声は裏返っている。


「好きなもの何?」


「へっ……? テディベアとイチゴですけど」


 由璃はきょとんと答えた。

「由璃ちゃん、苺と似てるな。お返し楽しみにしといてな」


「はっはい」


「またな」


「はい! では」


 由璃は部屋を後にした。俺も部屋を出る。


 好きな由璃からチョコをもらえて幸せなバレンタインだった。



End

ストーリーメニュー

TOPTOPへ