
リモーネ
第5章 ペチュニア
今日は日曜日。
セナは朝からぼんやりとした1日を過ごそうと心に決め、リビングでぼんやりとテレビを見ていると玄関のチャイムとスマホの着信とが同時に鳴り、嫌な予感がしつつもスマホを見るとかえでからで、ドアカメラを見るとかえでがいた。
月曜から土曜まで、朝は一緒に登校し、昼は一緒にご飯を食べ、夕方は同じ部活で、帰りも一緒。
セナとしてはかえでづくしで、正直おかしくなりそうだった。
それは嫌とかではなく、かえでが無駄に整った顔をしているせいか目が疲れる気がするし、彼に憧れて性格を脳内で勝手に構成したセナに、それを覆すほどのキャラの濃さをぶつけられ、その上それが初めて会ったときの記憶となかなか合ってくれないことなのだ。
単純に言えば混乱。
憧れていた人と恋人になったというのに、好きだと自覚したというのに、相手の言動が日々新鮮なことばかりで、掴み所がなくて困る。
嬉しいことなのだろうか。
この移り変わり具合は、なにか、もやっとすると言うか、どこかにいってしまいそうで怖いものがある。
もしかすると…
「ねぇセナちゃん」
「へぁい!?」
「どうしたの?」
「あ、え、いや、なんでも、ない…です。」
驚いた。
「今日何する?」
「あ、いや、えっと、課題とかします?」
「え、俺の持ってきてないよ?」
そういうのは事前にいってもらわないと~なんて俺の頭をわしゃわしゃと撫でるかえで先輩こそ事前にいってもらわないと~なんだがと言う言葉は飲み込み、教えてくださいと飲み物をいれながら言う
