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リモーネ

第5章 ペチュニア



「…セナちゃん」

「はい、なんでしょう」

「どうやってこの高校入ったの」

「受験して入りました」

「それはわかってるよ。だけどね…まぁいいや、それにしてもどうやったらその答えになるのかな?」

「…本能にしたがいました」

「うん。そうか。確かに本能は大事だね。でもね、歴史にはね、史実とされてることがあってね、せなちゃんの本能じゃどうしようもないことなんだよ。」

はぁと分からぬままに首をかしげると、かわいいけど許せない!なんていいながら両手で後頭部を掴まれて頬をすりよせられる。

「セナちゃんは何が得意なの」

「…理系ですかね」

「そうかぁ…」

そう言ってしばらく考え込んだかえでを何でこんなに色白なんだろうとぼんやり眺めているといつになく真剣そうに名前を呼ばれる

「これはお姉ちゃんの受け売りなんだけどさ、理系だけできてもだめなんだよね。
なんでかってそりゃ、今の日本なら就職とか有利だけどさ、理系ばっかやってて社会のこと知らないってなると、かなり危険なんだよね。
なんかこう、すごく雑になるけど、ひとりよがりな研究ばっかしてて社会とか人間のことみれてなかったら、流れがわからなかったら、良いものができたとしても売れないし、もしかしたら悪影響を与えるかもしれない…なんていうか、どっちも知ってないとだめっていう難しさが理系にあるはずなんだよね。」

わかる?と言葉を切って問いかけられたが、さっぱりわからず首を振ると

「うーん、なんていうか、人間として社会も頑張ろうね☆って感じかな」

と、瞳が笑ってない笑顔で言われた。

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