
リモーネ
第4章 ツルバラ
「!?
や、やめ…て、いやぁっん…!?」
「ホラ、抵抗しない。
…好きな子に抜いてもらってるとでも思えばいい。」
「いやっ、そんっな…む、り…ぃっ」
かえで先輩は俺を全身で壁に押し付けながら俺の耳元で囁き、手もパンツのなかに入れて俺の昂りを扱く。
好きな子に。なんて言われてもわからない。
好きな子なんていない。
『…好き。セナ。俺、セナのことがたまらなく好き。』
『俺はかえでのこと、大好きだよ。』
『回りがどう思ったって関係ないの。
貴方は貴方らしく、素直に、生きなさい。
貴方を作った神様が間違いを犯しているはずはないわ。
あなたの気持ちのすべてが正しくて、真実なの』
「っあ…ぅん…っき…。」
俺が声を漏らしたことで俺の興奮がさらに高まったと感じたのか、かえで先輩は上下に動かしていた手をさらに激しく動かす。
「か…えで、せんぱ…っはあっ」
「…んに?セナ…。」
「…ぅき…す、き…いやぁぁん…っはぁああ…♡」
絶頂に至って自分の精をぶちまけると、脱力した。
その体をかえで先輩が抱き留めて支える。
俺はしばらくかえで先輩の腕の中に体を預けていたが、ふと、自分の今の状況に気がついて体を離す。
「…ど、うしたの。セナちゃん?」
「あ、あ、えっ、と…俺、と、んでもないことを…!」
俺が慌てて、更に体を離すとかえで先輩は俺のパンツの中に突っ込んでいた手を俺のモノをいやらしく撫でながら俺の目の前に出して妖艶な笑みを見せる。
「…ナニしたの?」
「…ぁ…の、いや、触られ、かえで先輩に…イッ…」
「…さっき、俺の手にセナちゃんが精子出しちゃう前、なんて言ってたか知ってる?」
「えっ。と。」
『…ぅき…す、き…いやぁぁん…っはぁああ…♡』
「…いや、覚えてないですね。」
正直覚えてる。でも、好きなんて、なんでそんなことを、誰にいったかもわからない。
「…ふーん。そう。
セナちゃん、シャワー浴びる?」
「あ、浴びます。」
「俺、手、洗いたい。」
「あ、すみません。こっちです。」
そこから家を出て、駅について、定期を買って、学校につくまで、昨日までと同じように会話した。
