
リモーネ
第4章 ツルバラ
ジリリリリリリリ…。
ふと気づくと目覚まし時計が忙しく鳴っていた。
何時もより30分早く目覚めた朝。
あ、定期。
プルルルル…。
ベッドで座ったままボーッとしていると自分のスマホの着信音が鳴った。
あ、でなきゃ。と思うままになにも確認せず電話に出る。
「セナちゃん?あのね、朝。
起きてた?」
「…はようざいます…。起きてます…。」
「まぁいいや、玄関開けて。」
俺ははい。といって電話を切りながら部屋を出る。
玄関を開けるとかえで先輩がいた。
「おはようございます」
「おはよ!なか、いれて?」
俺の代わりに扉をもったかえで先輩が家に入れるよう玄関の土間から上り框へ移動する。
かえで先輩が家に入ってくるのをぼーっと見ながら、ふと思う
「…なんでかえで先輩、毎朝家にきてんですか?」
「そりゃ、恋人同士の体験期間だからね~」
「恋人ってわざわざこんなことしてんですか…。
…めんどくさい…。」
「そんなことはないよ。
俺がわざわざ毎朝セナちゃん家まで来てるのは、君を手にいれようと必死だからだよ。」
手に入れる。とは何か。
寝起きの機能しない頭で考える。
そうしているとかえで先輩が話しかけてきた。
「ほら、セナちゃん。ボーッとしてる暇はないよ!
…ところで、それはどうしたの?」
かえで先輩は俺を急かしたあと、顔を赤くしながら俺の股間を指差す。
その指に沿って自分の股間を見ると、まぁこれは見事に…
え、なんで勃ってんのさ!?
「!?」
俺はあまりに驚いて慌てて両手で自分の股間を隠そうとするが時すでに遅し。もうかえで先輩には見られている。
「…えっと…ほっとけばなおります。」
「…そんなわけないでしょ。」
からだごとそっぽを向く俺の肩をかえで先輩がつかんで耳元で囁く
俺が驚きとこしょばさで肩を揺らせば、かえで先輩が俺の体を自分の方へ向かせる。
「…セナちゃんは気持ちいいことだけ考えててよ。」
そういって自分の制服の袖を捲ると俺の背を廊下の壁に押しつけ、俺のパジャマズボンのなかに手を突っ込む。
