
僕らはずっと…
第7章 ごめん
周りがざわつく。
電車は密室。
逃げれない。
許さない。
俺は携帯を出して、そのおっさんの顔を撮る。
『パシャッ』
「これであんたもう逃げられないだろ?」
まあこんなことする必要ないと思うけど。
もうすでに周りにいた人の何人かが、興味本位で取り始めてる。
俺は春の顔が写らないように春の頭を腕で包む。
早くここから出て春を落ち着かせてあげたい。
おっさんは50代ぐらいに見える。
普通のサラリーマンでちょっと太ってる。
こんな奴が春に触れたなんてほんとに許せない。
