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僕らはずっと…

第9章 電車

しゅうに抱きしめられた時から、誰かいる感じはしなくなっていた。



だんだんと呼吸が落ち着く。





息が吸える。





私たちが降りる駅を伝えるアナウンスが聞こえた。




いつの間にか、もうすぐ着くところまで来ていたようだ。




「しゅう、ありがとお。」





そう言って柊から離れる。


周りの人は私たちの様子に全く気づいていないようだ。





「もう大丈夫?」




「うん。しゅうのおかげ。」






「頑張ったのは春だよ。」




そう言って柊が頭をポンポンしてくれた。




柊の手に触れられると安心する。





私たちは手をつないで電車を降りた。






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