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琉依短編集

第3章 君の刻印

  あたしは、歌っている途中、涙が流れた。止まらなくなった。蓮を思い作った曲だ
から……。


 観客のほとんどが泣いている。奏華のベースはやはり、際立った。プロ以上にうまいと思う。ベースの暗い感じを悠のドラムや優美のキーボード。ギターで上手く中和していた。思ったイメージ通りで無事成功した。大輔、由璃、苺は舞台に戻ってきた。


「ありがとうございましたっ!」


 あたし達は、そう言って舞台を後にした。君の刻印は、こうして完成されて、こうして演奏された。


 ねぇ、蓮?
 見ていてくれた?



End

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