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琉依短編集

第1章 花火~蓮と夏の思い出~

 懐かしい花火の思い出──…。

 大好きな蓮との夏の思い出──…。


「琉依」

 名前を呼ばれ我に返り声の主を見上げる。

 手にある花火はとっくに終わり、みんなも花火を終えたようだ。

「はい、琉依の線香花火」

 悠に笑顔で渡された。

「琉依~早くしないと銭湯に行くのおいてっちゃうよ~」

 みんなが笑顔で言ってくれる。あぁ、あたしはこのメンバーに歓迎されているみたいだね。

「蓮……」

 あたしはポツリと呟いた後、線香花火をつけた。

 そして目を閉じて願い事をする。

“蓮をずっと忘れませんように”

 綺羅の胸元の蓮の花の入れ墨が目に入った。


End

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