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今日も明日も

第14章 蜘蛛の糸


あんなに冷めた瞳を見たのは初めてだった。

いつもなら

怒らせても、結局はすぐに許してくれていたし

そもそも

あまり「怒る」なんて事がなかったし。




どんだけ懐でかいんだよ…って本気で思うくらい

俺だったら間違いなくキレてるだろう事も

さらりと笑顔でかわしていたんだから。



「いちいち怒ったって意味がないでしょ」

そう言ってたはずなのに


俺のほんの些細な一言で



「その言葉だけは許せない」



…そう言って

何も言わずに部屋を出ていってしまった。



恐ろしくなる位の

冷たく、暗い眼差しを残して。





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