今日も明日も
第1章 こくはく
N side
今日は一番乗りで楽屋についた。
マネージャーの迎えを断って、自分の車で来たから。
…何となく1人になりたくて。ただそれだけ
まだ誰もいない広いその部屋は、くつろげるようにと奥に畳が敷いてある。
俺は迷わずそこに行き、靴を脱いで大の字に寝転がった。
けど。
横になって程なくして、入口のドアが開かれて。
そこにはちょっと驚いた顔をした相葉さんが姿を現した。
「相葉さん、珍しく早いね」
俺は寝たまま相葉さんに話しかけた。
「俺が一番かと思ったのに」
ちぇーっと唇を尖らせ…たと思った次の瞬間、満面の笑みに変えて相葉さんは中に入ってきた。
「にのこそ、ずいぶん早くない?」
手に持っているバッグを畳の上に置きながら腰を降ろす。
ちょうど俺の肩辺りであぐらを掻き、こちらに顔を向けた。
「今日は車だから。道が空いてたんだよ」
視線は天井に向けたまま答える。
何だか顔を見れない。
「そうみたいだね。俺もマネージャーがいつもより来るの早かったよ」
だから初めて一番乗りだと思ってたのに。と相葉さんがまた唇を尖らせた。
ちょっと拗ねた口調に、思わず笑う。
そこで相葉さんと目が合って。
一瞬ドキッとした。
「どうしたの?」
そんな様子に気付いた相葉さんが不思議そうに俺を見つめる。
その視線がいたたまれなくて、俺は起き上がり
「背中」
とだけ一言。
「はいはい」
相葉さんは分かってるよ、と向きを変えて俺に背中を向ける。
だっていつもの事だから。
俺は何も言わずに、自分の背中を相葉さんのそれにくっつけた。
畳のある楽屋では、相葉さんがあぐらを掻いて少し前屈みに。そこに俺が寄っ掛かってくつろぐのが当たり前になっている。
今日は一番乗りで楽屋についた。
マネージャーの迎えを断って、自分の車で来たから。
…何となく1人になりたくて。ただそれだけ
まだ誰もいない広いその部屋は、くつろげるようにと奥に畳が敷いてある。
俺は迷わずそこに行き、靴を脱いで大の字に寝転がった。
けど。
横になって程なくして、入口のドアが開かれて。
そこにはちょっと驚いた顔をした相葉さんが姿を現した。
「相葉さん、珍しく早いね」
俺は寝たまま相葉さんに話しかけた。
「俺が一番かと思ったのに」
ちぇーっと唇を尖らせ…たと思った次の瞬間、満面の笑みに変えて相葉さんは中に入ってきた。
「にのこそ、ずいぶん早くない?」
手に持っているバッグを畳の上に置きながら腰を降ろす。
ちょうど俺の肩辺りであぐらを掻き、こちらに顔を向けた。
「今日は車だから。道が空いてたんだよ」
視線は天井に向けたまま答える。
何だか顔を見れない。
「そうみたいだね。俺もマネージャーがいつもより来るの早かったよ」
だから初めて一番乗りだと思ってたのに。と相葉さんがまた唇を尖らせた。
ちょっと拗ねた口調に、思わず笑う。
そこで相葉さんと目が合って。
一瞬ドキッとした。
「どうしたの?」
そんな様子に気付いた相葉さんが不思議そうに俺を見つめる。
その視線がいたたまれなくて、俺は起き上がり
「背中」
とだけ一言。
「はいはい」
相葉さんは分かってるよ、と向きを変えて俺に背中を向ける。
だっていつもの事だから。
俺は何も言わずに、自分の背中を相葉さんのそれにくっつけた。
畳のある楽屋では、相葉さんがあぐらを掻いて少し前屈みに。そこに俺が寄っ掛かってくつろぐのが当たり前になっている。