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今日も明日も

第1章 こくはく


ドキドキする。

いつものように寄っ掛かって。
いつものようにゲームをしてるだけなのに。

何故か俺は落ち着けなかった。

…いや、理由は分かってる。

昨日の夢が原因。

夢の中で、相葉さんにキスされたから。
そしてそれを嫌がらない自分がいたから。

夢の中の世界では俺達は恋人同士の設定で。
いわゆる「ラブラブ状態」がこれでもか!と繰り広げられていたんだ。

目が覚めた時、ひどく動揺した。
何で抱きしめられて「嬉しい」なんて思ってしまったのか。
一瞬でも、目が覚めた事に悔しいと感じてしまったのか。


俺はゲイじゃない。
恋愛対象は女の子だ。

今までだって、同性に対してそんな気持ちを持った事なんかない。

あれは夢だから。
だからあれは俺じゃない。
そう思い込ませた。

だけど。
相葉さんの顔を見たら、ブワッと全て思い出して。
一生懸命冷静を装うようにしたけど、なかなか出来なくて。

いつものように背中合わせなら平気かな。と思ってみたけど。

やっぱダメだ。
意識しちゃう。

これじゃあ、相葉さんにも気付かれる。

聞かれたら困るし答えられるわけない。
万一、夢の内容を話しちゃったりしたら、絶対引かれる。
俺、ヤバイ人認定される。

いや、それ以上に
今のこの関係が崩れてしまう。

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