
今日も明日も
第20章 countdown
相葉さんのマンションに着いたは良いけど
…次の関門があったのを、失念していた
オートロック
これを解除してくれなければ、ただの無駄足になってしまう
正攻法で行くか
違う策を考えるか…
ダメ元で、まずは正攻法にしてみる
「…はい」
チャイムの後から、低い声が聞こえた
「開けて」
「…本当に来たんだ」
「当たり前だろ」
相葉さんは、開けてくれる?
…開けて、欲しい
なんて
思ってたのに
何だか気抜けしてしまう程
ロックはあっさりと、解除された
エレベーターに乗り込み、誰ともすれ違わないまま、玄関に辿り着く
チャイムを鳴らさず、ドアに手を掛けてみたら
…何となく予想通り
鍵は掛かっていなかった
通い馴れた部屋なのに
何だか違う場所みたいな空気に
思わず唇を噛み締めた
靴を脱いで、静かに中に進む
リビングに続くドアを開けると
…相葉さんが目の前に立っていた
