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今日も明日も

第20章 countdown


「わ…っ」

まさかドアの前にいるとは思わなくて

俺の体がビクリ、と跳ねた



「いらっしゃい、かず」

ニヤリ、と唇を歪めて

相葉さんが中に招き入れる


俺は何も言わず

相葉さんを睨み付けながら

ずかずかとリビングに入って行った




おかしい

今日は女が来てたはずだ

…なのに

何故かその名残が何もない


リビングの先にある

開けっ放しの寝室のベッドも

綺麗に整えられている



「…どうしたの?」

後ろから、クク…と笑いを堪えたような声で言われて

俺は無意識に女の痕跡を探している事に気付いた



「女が、来てたんじゃないのかよ」

こうなったら、ストレートに聞いてやる



「だって…かずが自分で今日は来るって言ったんじゃん」

相葉さんは

顔は笑っているのに、目が笑っていない


その、冷たい視線に

…背中に嫌な汗が流れた


だけど

思いきって、今…ここに来た意味

「…話がある」

俺は相葉さんから目を逸らしたまま

小さく、呟いた



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