今日も明日も
第20章 countdown
「じゃあ…何で他の女、抱いたの?」
「虚しかった」
「え…?」
「一緒にいても、かずを抱いても、かずの本心が見えなかった」
ポロリ、と相葉さんの涙が落ちた
「いつも、俺から求めて…かずから求められなかった」
「そんな事…」
「俺には、見えなかったの。かずはいつでもセーブかけてる」
相葉さんが俺を抱き締めた
「でも、今…分かったから」
鼻を啜る音
…相葉さん、泣いてる
「かず、ありがとう」
そう囁くと、俺の両手を自分の首に持って行った
「かず」
この状況に似合わない位、優しい笑顔は
この世で一番綺麗だと思った
「ダメ…っ」
俺の口が、意思とは関係なく勝手に動いた
「やっぱダメ、死なさない!」
「かず…?」
亡骸を抱いても意味がない
相葉さんの声を聞いて
笑う顔を見て
泣く顔を見て
一緒に色んな事を感じて
隣で同じ空気を吸わなきゃ