今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
後少しでアパートに着く…手前の路地
前方に見えたスーツ姿に
ちょっとドキドキした
だって
後ろ姿でも、すぐに分かる
「相葉さーん!」
しっかり聞こえるように、声を張り上げた
すぐに振り返ったその顔は
俺を見た途端に笑顔になって
「おかえり!」
まるで御主人様に懐く犬のように、俺の傍に走ってきた
何も言わずに、買い物袋を俺から奪う
いや、俺だって荷物くらい持てるんだけど…
どうせ返してはくれないから、そのまま任せる事にした
「随分いっぱい買ってきたね」
相葉さんが笑った
「アナタが来るから…夕飯とかだよ?」
そう言うと、途端に顔が曇る
「言ってくれたら、俺が買ってきたのに」
…外食すると思ってたから
なんて言って、ちょっとしょげた
「いいよ、そんなの…」
ほら、行こ?
荷物が無くなって、空いてしまった手で
軽く背中を押した
「これ置いたら、俺酒買ってくるよ」
相葉さんはいつもそう
俺だけが何かする事を、申し訳なさそうに思ってる