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今日も明日も

第4章 すれちがい

「ああ…っもう!」

頭を突き抜けるような快感。
我慢なんて出来るはずもなく、おれは相葉さんの口に放ってしまった。

崩れ落ちる体。
俺はぺたりと冷たいコンクリートに座りこんだ。

相葉さんは俺の目線まで顔を上げると
熱い…オスの目をして

ゴクリ、と咽を鳴らして見せた。


それは、俺の精を飲んだと言うことを知らしめる。

「あ…いばさ…っ」

涙が溢れてきた。
無理矢理な行為と恥ずかしさ、そして悔しさが入り交じって止めたくても止まらない。

相葉さんはここにきて初めて
「ごめん…!」
やっと抱き締めてくれた。

「何で…こんなことするの」
上がっていた呼吸が少しずつ落ち着き、俺は相葉さんの肩をシャツの上から握りしめた。

「ごめん…」
抱き締めたまま顔を上げずに同じ言葉を繰り返す相葉さんも、泣いてるのか肩が震えている。

「あんたが、ずっと俺と会うのを避けてたのは棚に上げちゃうわけ?」

あ…ヤバイ。また泣きそう。

「翔さん、あれはわざとあんたを試してたんだよ!俺たちがおかしいって気付いたから…」

「避けてたわけじゃ…」

相葉さんがのろのろと顔を上げた。

「じゃあ、何?あれが避けてないなら何だってのさ」

せっかく止まった涙が溢れてきた。
あーあ
俺、カッコ悪い。

自分からはすがらないって決めたはずなのに
すげー女々しい。

俺ってこんなに弱かったっけ?

泣くことなんて殆どないはずなのに。







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