今日も明日も
第23章 理由はいらない
「あ、えと、これ」
まだ手に持っていたナゲットの袋を渡すと
「良かったら…またお店に来て下さい」
照れた顔のまま、笑顔を作って見せた
「あ、はい。行きますよもちろん」
…本当、わざわざありがとうございます
って微笑んでくれた彼も
照れ臭そうに笑ってくれて
…もう俺
ソッチでもアッチでもドッチでもいい
この人に、惚れた
もっともっと
近付きたい
仲良くなりたい
まずは店に戻って
潤に相談しよう
じゃないと、今の俺じゃ何口走るか分かんない
「あ、じゃ俺、店に戻ります」
ガバッと頭を下げると
彼を見ずに、玄関から出ていった
「何あれ…、変なやつ」
なんて
面白そうに笑う彼に
俺が気付くわけもなく…
急げ急げと
俺は車を走らせていた