今日も明日も
第23章 理由はいらない
「仕事、何時までですか?」
「あ、5時…だけど上がれるのは7時くらい、かな?」
質問に答えるだけの思考能力は残ってた
「じゃあ…来れたら、来て下さいね
でも、無理はしないで?」
二宮さん、さっきから笑いっぱなし
俺が必死になればなる程、笑ってるよ…
「じゃあ、俺帰ります。相葉さん、もう仕事戻らないとダメでしょ」
あ、そうだ
俺仕事中だった
…やべ、潤がキレる
「あ、じゃ…じゃあ、明日…じゃないか、朝、行きますから!!」
「はい、仕事頑張ってくださいね」
軽く手を振ってから、去っていく二宮さんの車をしばらくの間、ボーッと見つめていた
嘘みたい
友達になっちゃったよ
しかも、家に呼ばれちゃったよ?
「夢、じゃないよね…」
思いきり自分の頬をつねってみて
…その痛みに慌てて手を離す
夢じゃない
まさに、現実
「あ、やべ」
早く店に戻らなきゃ
そして、潤に報告しなきゃ!
俺は、にやける顔を隠せないまま
走って店に戻った