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今日も明日も

第23章 理由はいらない




「…すみません」

全身から怒りオーラを放つ、仁王立ちの潤

さっきまでの幸せムードから一転

俺はひたすら謝っていた


「そりゃな、行けっつったのは俺だよ?」

「はい…」

「けどな、あれだけスルーに車いて、気付かないってありえねぇよ」

「…仰る通りで」

まさか、二宮さんに夢中で

店の方なんかこれっぽっちも見てませんでした、なんて

…恐ろしくて言えない


「中、メチャクチャだから」

「はい…」

「お前、全部片付けろよな」

「もちろんでございます」




フッと潤の顔が緩んだ

「…でも、良かったじゃん」

そう言って、俺の背中を叩いてくれた


「うん、…潤のおかげだよ

ありがとう」


感謝、なんて言葉だけじゃ伝えきれないよ

こんな片付けどころじゃないよね

もっともっと、潤には「ありがとう」を伝えたい



「潤、上がったら朝飯奢るね」

「お、マジ?」

「うん、好きなものいっぱい頼んでいいよ」







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