無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

俺は、握られた手をほどいて

「もうちょっと、気持ちが固まってからがいい」

はっきりと、伝えた

「何となく付き合い始めたみたいじゃん」


俺の言いたい事、いつもすぐに分かるのに

これには気付いてなかったんだよ？


「あ、そっか」

相葉さんが、ハッとしたように止まった

「にの」

「ん？」

俺も立ち止まって、相葉さんを見る


「俺と、付き合って？…恋人に、なってくれませんか？」


今更だけど、欲しかった言葉

それを今、やっと貰えた

返事の代わりに、再び手を繋ぐ

「これで、報告できるね」

相葉さんが笑った


「まだ、内緒にしとこ？」

「えー！何で？」


だってさ

もう少し、「秘密の恋」を楽しみたい

まだ、ドキドキしていたい


でもね

もう少ししたら、ちゃんと伝えるよ


誰にも渡したくないから



もう一度、相葉さんの唇に自分のそれを触れ合わせて

「先行くね！」

俺は、残りの階段を駆け降りて行った



End