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今日も明日も

第27章 理由はいらない 2nd



…まさか俺がそんな位置に立ってるなんか思ってないから、かなりの勢いで開けた二宮さんは

驚くと同時に吹き出していた

そりゃそうだよな

子供じゃあるまいし、ドアの前の立ち位置くらいは把握してるはずなんだから

そもそも、謝罪で来た時はきちんとしてたんだし


どんだけ緊張してんだよ、俺
ってか、痛いより恥ずかしい…

だって、二宮さん
必死に笑うの堪えてる

…時々声が笑ってるけど



「…立てますか?」

「はい…すいません」

いつまでもこうしてる訳にもいかない

恥ずかしいけど、立ち上がるしかないだろ
…なんておもいながら顔を上げたら

「はい」

俺の目の前に差し出された手

え?と更に顔を上げると


「掴まってください」

二宮さんが、笑いながら
…でもちょっとだけ心配そうな顔をして

俺を見下ろしていた



「だ…大丈夫です!!」

その手は取らずに、慌てて立ち上がろうとしたら

「いいから」

二宮さんが、膝に付いた俺の腕を取った


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