今日も明日も
第30章 理由はいらない 3rd
「で、申し訳ないけど中を見せて貰いました。
多分、相葉さんのだろうとは思ったけど、確信ないし
…何か持ち主が分かるのがあればと思って」
すいません、とまた頭を下げる二宮さん
何も悪い事なんかないのに
むしろ、届けてくれたのが嬉しくて堪らないのに
「そんなの…気にしないでください」
何だか俺の方が、申し訳なく思っちゃうよ
「中の、御守り…」
「え?」
二宮さんがニッコリと笑った
「あの御守りの神社…俺が必ず行くとこです」
「マジで?」
信じられない
だって
俺の実家近くの、そんなに大きくない神社だよ
地元民しか行かないような、ところだよ?
二宮さんが、訝しげな顔をした俺を見て
クスクス笑った
「嘘つけ、って思ってるでしょ」
「いや、だって…」
普通、そう思うでしょ
実家は県外なんだから…
ここからは、車で行くとそれこそ5時間以上掛かるくらい離れてるんだから
「…祖母の、家があるんですよ」